2018
05.28

〜藤野 淳 前夜〜 精鋭部隊の潤滑油 K姉さん

藤野 淳 物語

 

さて、先行参入業者さん達が沢山いる、
競争過多な
「業務用卸売り野菜販売」という業界に、
カット野菜という武器を引っさげて、
大手ホテルチェーンを対象に
後発組として挑んでいった藤野のお話。

 

 

 

 

<<前回までのストーリーはこちら>>

人生を変えた「玉ねぎ」の話
http://fujinojun.com/episode/onion/

個性豊かなジイジとバアバに囲まれて
http://fujinojun.com/episode/jiijibaaba/

カット野菜 誕生秘話
http://fujinojun.com/episode/cut/

精鋭部隊誕生
http://fujinojun.com/episode/personality-2/

 

 

 

 

 

その挑戦を、社内で強力に支えて実現させてくれた
うちのスーパーで働いていてくださっていた
「ちょっと変わった」スタッフさん達について
きょうはお伝えしようと思います。

 

 

※これは当時実際に勤めてくださっていた
実在の方達のお話なので、
実名の公表は控えさせて頂きますが・・・

 

 

例えば、
凄く美人さんなんだけど、耳が不自由で、
それゆえに会話が不得意だった K姉さん、

 

例えば、
片足が麻痺していたようなお掃除担当のSおじちゃん、

 

明らかに「子供の大きさ」しかない
精肉担当のおじさん Tくん、

 

人とのコミュニケーションがとにかく苦手で、寡黙で、
お愛想のひとつ、笑顔のひとつも見せられないもんだから、
客前にはいっさい出れないけれども、
1年を通した「青果」の流通事情に関しては、
神がかり的な予言までなすおじさん KJさん

 

身体的にも、知的にも、
特別なハンデは持っていなかったけど、
所謂「ツッパリ」「リーゼント」と言えば想像して頂けるような
地元の中学をやっと卒業することが出来たような
他にどこも引き取り手がなかった KTくん

 

 

 

みんな、どこかに、
不自由や弱点を抱えた
一風変わった、でも、何か一つ
他の誰にも負けない得意技を持つ方が何人もいたのです。

 

 

この、ちょっと変わった、
でも、本当に優秀な加工野菜部隊の、
お姉さん的な存在でいてくれた K姉さんについて、
今日はお話したいと思います。

 

 

凄く美人さんなんだけど、耳が不自由で、
それゆえに会話が不得意だった K姉さん、

 

片耳はほとんど聞こえない状態、
もう片方の耳も、
耳元で大声でゆっくり話さなければ聞き取れない
聴覚障害をお持ちの女性でした。

小顔で、細身で、色白で、
それこそパッと見は、ハンデを全く感じさせない
素敵な素敵な女性です。

 

このK姉さん、
専門用語ではアルビノといい、
遺伝子により起きる疾患だそうですが、
肌から髪まで真っ白で、
群馬のご当地言葉で「白っこ」と呼ばれる人でした。
子ども心に映っていたその姿は、
違和感よりも、
「本当に綺麗な人」として焼きついていました。

それでも、生来の聴覚障害ゆえか、
発話・会話もだいぶ不自由だったのです。。

 

 

この K姉さんが、
我が自慢の「カット野菜精鋭部隊」の
お姉さん的役割を果たしていてくれていたんですが、

その訳は、

ほぼほぼ全員、自分勝手・我が道を行く 的な
ちょっと変わったスタッフさん達の中にあって、
彼女だけは、
めちゃくちゃ「気配を察知する能力」
に長けていたんです。

 

 

 

「野菜のカット」という、
地味で根気がいる作業を皆で協力するにあたって

彼らの「固執傾向」は、徹底的な模倣と再現力に!
その「多動性」は、大量の加工物量に!
「偏った集中力」は、ひたすらな繰り返し作業に!

見事に転化してくれました。

 

 

転化はしてくれたのですが、

そこは、一風変わった人間達のチームだけに、
最初から最後まで、万全のチームワークで
穏やかに和やかに笑顔で、
なんてわけには行かないわけなんです。

 

 

 

例えば、人参の加工をするぞ!となると・・・

 

まず、お掃除担当のSおじちゃんが、
誰に言われるまでもなく、
プールと呼んでいたシンク周りを
綺麗〜にお掃除・消毒します。

 

そこに、「子供の大きさ」しかない
精肉担当のおじさん Tくんが、
必要な数のまな板や包丁を整えます。

 

すると、ツッパリのKTくんが、倉庫から大量の人参を
ドカーーーンっと加工場に持ってきます。

 

寡黙な野菜達人のKJさんは
下処理として人参の皮むき作業を寡黙に始めます。

 

 

下処理の皮むきが済んで、
流水が循環しているプールに投げ込まれた人参を、

今度は、二次処理として、コマ分けカットします。
長い人参は、縦三等分に、
短い人参は、縦二等分に、
太い人参は、三等分〜四等分に、
細いところは、二等分に、

といった具合に、
みんなでコマ分け作業に進むのです。

 

と、最後に仕上げ工程であるシャトーカットという
コマ分けされた人参を、ひとつひとつ「櫛形」に
整形する加工に進んでいく訳なんですが、

 

それは50Kgとか100Kgとかの大量作業ですから、
もうこの「コマ分け」作業のあたりから、
皆にストレスがかかってきて、

 

ほら!おまえの長すぎる! とか、
おまえの人参太すぎ! とか、
人の作業にチョッカイを出す奴が出て来るんです。

 

 

実はこれも、「固執性」の賜物で、
コックさんから支持された「お手本」に
いかに近づけて加工するか?
を皆それぞれこだわりを持って、
徹底的に追求している証なんです。

 

 

ただし、
ほぼほぼ全員、自分勝手・我が道を行く 的・・・

 

 

「こう言ったら、相手は傷つくな〜」とか
「少し違ってるけどいいかな〜」とかの
その場の「いい加減」や、
チームの空気づくり といった感覚が

見事に皆無なんです。

 

 

作業への向き合い方も、個性様々、

 

誰に向かってという訳もなく、
ひたすらにマシンガントーク一人漫才を続ける人もいれば、
そこには誰もいないんじゃないか?と思えるほど、
一人の集中世界に入って、黙々と作業する人、
作業は早いんだけど、小まめに小まめに休憩を入れないと
集中力が続かない人。

 

まあ、そういった「色々の個性」が
ひとつのラインに乗っかって作業をすすめるもんですから、

 

次第に次第に、
なんとも厭〜〜〜な空気が充満して来るのです。

 

 

 

で、そういう時こそ、
K姉さんの出番。

 

 

人の作業にちょっかい出し始める気配を察知すると、
「ちょっかい出された方」に下処理が済んだ人参を沢山積んで、
無言のうちに「それでいいから、もっとやって!」を伝えてくれます。

と同時に「ちょっかい出したくなった方」の二次処理した人参を
「お手本」としてみんなの前に置いて、満足させてくれるのです。

 

仕上がった櫛形の人参がプールに貯まって来ると、
精肉担当のおじさん Tくんのところに
黙ってザルを持って行きます。

集中力が切れてきたTくんに別の作業を示唆して
気分転換させるつもりなんでしょう。

 

それを見たツッパリKTくんが
また、倉庫から人参を持ってきて

野菜達人のKJおじさんが
黙って皮を剥き始めます。

 

 

 

こんなふうにK姉さんは、
耳が不自由であるがゆえに、
周囲をよ〜〜〜く観察する能力に長けていたのです。

 

誰よりも早く、敏感に、
その場の気配や空気を読んでくれて

スムーズに作業が捗るように
事前に事前に、対策してくれるのです。

 

発話が困難であるがゆえに、
気の利いた言葉をかける代わりに、
目に見える動作や表情や仕草で、
その場の空気を変えてくれるのです。

 

 

 

その結果、
この、一風変わった凸凹した加工部隊が
円滑に機能して、

依頼どおりの完成度の高い加工品が、
短時間でどんどん生産されていくわけです。

 

 

 

みんな弱いところを持っている
みんな得意を持っている。

 

耳が不自由なことも、
会話が困難なことも、
K姉さんにとっても、
我らがカット野菜の部隊にとっても

なんの障にもなりませんでした。

 

むしろ、
居てくれないと困る!

 

きょうは、そんな
加工部隊のお姉さん的存在

K姉さんにスポットをあててみました。

 

 

 

 

 

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